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【書評】『月給プロゲーマー、1億円稼いでみた』梅崎伸幸 主婦と生活社

 

 

どうもenjoy_goodjobです。

タイトルを見て閲覧してくださったみなさんは「e-Sports」や「プロゲーマー」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
ゲームだけで生活できるものなの?賞金で一攫千金?怪しくない??
気になりますよね。

エレクトロニック・スポーツ(英: electronic sports)は、複数のプレイヤーで対戦されるコンピュータゲーム(ビデオゲーム)をスポーツ・競技として捉える際の名称。 eSports(eスポーツ)と省略した形で使われることのほうが多い。

エレクトロニック・スポーツ - Wikipedia

dic.nicovideo.jp

 

ご覧のように新しい言葉ではあるものの、最近注目を集めています。

プロゲーマーのフルタイム雇用/月給制をいち早く導入し日本のe-Sportsシーンを牽引するプロチーム「Detonation Gaming(デトネーション ゲーミング)」のCEOであり株式会社Sun-Genceの代表取締役である梅崎伸幸氏の著書「月給プロゲーマー、1億円稼いでみた」をご紹介します。

ウメハラ氏やときど氏などプロの格闘ゲームプレイヤーも多数の書籍を出版されていますが、e-Sportsシーンでマネージャーをされている方の著書としては初めてではないでしょうか。

 

enjoy_goodjobのゲーム観

書評に入る前に僕のゲーム観についてお話しさせてください。
書評はよ!って方は飛ばしてくださいね。

 

僕は1982年生まれ、今年で35歳になります。
ゲームとの出会いはファミコン(1983年発売)でした。友達との遊びといえば、外で遊ぶかファミコン、というのが当たり前になる初めての世代ですね。
著者の梅崎伸幸氏も1983年生まれですので世代は同じです。

僕たちはテレビゲームと共に成長してきた世代とも言えます。

でもゲームをするってどこか後ろめたくないですか?

ゲームはテレビと並んで「親から怒られる対象」ですもの。
みなさん親に小言を言われながら泣く泣くゲームを止めた経験があるかと思います。
「そうそう!」とうなずいてらっしゃることでしょう笑


対して、テレビは親世代も観るからゲームほどには怒られない。なんという不条理。

 

親世代から目の敵にされていたゲームが今、日の目を見ようとしているんです。

ゲームをするだけでお金がもらえる時代になりました!

e-Sports知名度向上、インターネットの発達によって、ゲーム会社だけでなく大会で活躍するプレイヤーやゲーム配信者へもお金が入りやすくなってきたんです。
ファミコンど真ん中世代が社会で活躍する30代になったことも影響しているでしょうね。

大会での賞金やスポンサー収入といったお金の話が絡むとはいえ、僕たちの幼少時代には想像もできなかったことがこれから起きようとしています。
親がこんな状況を目の当たりにしたら「もっとゲームしなさい!」なんて小言を言うかもしれません。
そんな時代が目前に迫ってきています。

みなさんが感じていた「ゲームをプレイする後ろめたさ」をe-Sportsがきれいさっぱり払拭してくれることでしょう。


▼本書の読みどころ

▼プロゲーマー
e-Sportsシーンの現状
e-Sportsシーンのこれから

 

▼プロゲーマー

▼▼プロゲーマーチームDNGについて

DNGのゲーミングハウスでは「League of Legends」というタイトルをプレイする選手たち(Detonation Focus Me, 以下DFM)が寝食を共にして生活しています。梅崎氏やその他スタッフは別の住まいから通っており、体制が整ったのはここ1年だそうです。
「ゲームをすること」が仕事であり、パソコンや周辺機器が揃った環境で24時間ゲームに集中できるようになっています。

▼▼プロゲーマーとしての立ち居振る舞い

プロゲーマーにも社会人としての常識が身についていることを大事にしており、コミュニケーション能力やチームにきちんと貢献できるかどうかが査定されているとのこと。毎週月曜日はジムの日(ランニング、筋トレ)になっているとも。
「ゲームが好きだとしても向き不向きがあるので適性をきちんと見極める」「プロたるもの身だしなみには気をつける」などなど。

僕も社会人10年目を超えましたが、社会人としても非常に大事だということを痛感しています。

▼▼プロゲーマーの収入

DNGの収入=7割:3割=スポンサー料:グッズ販売+イベント出演料+賞金
意外にも大会賞金は臨時収入とのこと。特に日本は規制が多く高額の大会は開かれていないので当然といえば当然ですね。

そして選手個人の給与。

こういう下世話な話題って好きでしょ?笑

DFMの一軍の選手平均で月給20万円+(イベント出演料+グッズ販売)。強ければさらに上乗せされるそう。
実力主義でわかりやすいですね。
ただ衣食住の費用はDNG持ちなので、税金を差し引かれた全額が選手の自由になるようです。

 

e-Sportsシーンの現状

▼▼e-Sportsのジャンル

e-Sportsとして確立しているジャンルは、格闘、シューティング、カードゲーム、スポーツ(サッカー等)、LoLをはじめとするMOBA(MUlti Online Battle Arena)
日本が唯一世界に通用するのは格闘ゲームストリートファイターウメハラ選手が有名ですね。

▼▼e-Sportsの賞金

直近だと、2017年6月10日(土)にベルサール高田馬場で行われたesports大会「RAGE(レイジ)」の賞金は3タイトル合計で1200万円を超えています。

『Shadowverse(シャドウバース)』:700万円超え
ストリートファイターV』:300万円
ウイニングイレブン 2017』:200万円

cyber-z.co.jp

 

世界に目を向けると賞金額がものすごいタイトルがあります。
「Dota2(ドータ ツー)」というタイトルで賞金総額なんと22億円!
課金システムに賞金が莫大になる仕組みがあるとのこと。すごい額です。

DNGに所属するDFMが競技を行っているタイトル「League of Legends」の賞金総額は2億円強。
Dota2には見劣りするものの1タイトルでもRAGEの3タイトルの20倍弱という数字です。

 

▼▼e-Sportsの市場規模

(本書には含まれていない内容です。enjoy_goodjob調べ)

市場規模は2016年の全世界で約1000億円だったそう。

2016 年世界 e スポーツ市場規模は、8.92億米ドル。 スポンサーや広告での収入が約7割。

jp.gamesindustry.biz

 

▼▼競技人口

下記は競技人口が多いスポーツ。
1位 バスケットボール 4億5,000万人
2位 サッカー 2億5,000万人
3位 クリケット 1億5,000万人
4位 テニス 1億1,000万人
5位 ゴルフ 6,000万人

e-Sportsは1億人超と言われているので、複数タイトルとはいえ3~4位になります。

 

e-Sportsシーンのこれから

▼▼プロゲーマーのセカンドキャリアは明るい

プロゲーマーを引退した後はゲームやパソコン関連企業はもちろんのこと一般企業からも引く手あまたとのこと。戦略をもってチームプレイができて、なおかつ成果を出している人は重宝されるに決まっています。

アスリートがセカンドキャリアとしてスポーツ用品メーカーやスポーツキャスターへ転職するのと一緒ですね。

 

▼▼2022アジア競技大会e-Sportsが正式種目として追加

jp.gamesindustry.biz

アジア競技大会とは、アジアの国々のための総合競技大会で「アジア版オリンピック」とも言われています。基本的に、オリンピックと同様のスポーツが行われるが、アジアの地域性を反映したオリンピックにはない独特の競技も行われている。
団体競技では翌々年のオリンピック出場枠を争うアジア予選を兼ねる場合があり、個人競技でも同じ国の選手同士で翌年度に集中する夏季オリンピック選考の重要な前哨戦ともいわれる。

アジア競技大会 - Wikipedia 

 

2024年のオリンピックにはe-Sportsが正式種目になっていることは確実でしょう。しかしながら梅崎氏の目標は「2020年東京オリンピックe-Sportsを公開種目にする」としておりIOC国際オリンピック委員会へ働きかけているそう。

僕もそうであってほしい!!

 

▼著者 「梅崎 伸幸氏」

プロゲーマーという言葉が日本で一般的になるより以前からe-Sportsシーンで活躍されていた梅崎伸幸氏
プロチームDNGを率いるCEOという立場ですが数年前まではプレイヤーとして活躍されていました。
Counter Strike」というゲームで世界大会に出場するほどの腕前だったそうです。
また日本eスポーツ連盟共同代表理事も務められています。

 

▼おまけ 本書の装丁

装丁はファミコン世代には懐かしいドット絵です。Zerost選手が似すぎていてかわいい笑

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▼まとめ


以上、本書の内容をお伝えしましたが、いかがでしたか?

 

特に読んでほしいのは「ゲームをしない方」なんです。

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人はどうしても「見たい情報」しか見なくなります。自分の常識に縛られ、見知ったものしか受け付けなくなります。特に歳を重ねるとそうなってしまいます。
ゲームと縁が少ない方にこそ、手にとっていただきたいです。

 

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もちろんゲームが好きな方にも読んでもらって、発展していくe-Sportsシーンの現状、課題を知ってもらいたいです。
ゲームをするだけではなく、このエントリーのように幅広い方に知ってもらうような活動をしてもいいでしょう。
僕は上手くはありませんがゲームが好きで、文章を書くことが苦にならないのでこうやってお伝えしています。
好きなことがあれば声高に好きだと叫んでください。言わないままだとあなたの気持ちは誰にも知られず終わってしまいます。発信者のモチベーションにもつながるでしょうからあなたの声を届けてあげてください。(このエントリーに対する感想をもらえると喜びます。)

 

僕も積極的にe-Sportsに携わりたいなぁ、と考えています。
プレイヤーというのはシーン全体からみるとほんの氷山の一角ですからね。
大会実況・設営や広告、選手に対するサポート、プロチームのファンなどの様々な人々を巻き込んでe-Sportsシーンは成り立っています。
まさに今のメジャースポーツと同じですよね。

世の中からゲームをすることの後ろめたさをなくしたいんです。
実際、僕のコンプレックスだったりします。
サッカーや野球、バスケットボール等メジャースポーツをするとなったら積極的に応援されるのに、いざゲームとなると途端に非難されるのはどうしても納得がいかないのです。
人と人が競い合う同じスポーツじゃないか!!、と。

 

e-Sportsがメジャーになったと判断できる一つの指標は「ご贔屓のチームが敗れた翌日に機嫌が悪くなるオヤジが出てくる」ことだと思います。

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※画像はイメージ


DFMが惨敗した日にゃ1日機嫌が悪い、近づくな、と周りから敬遠されてしまうようなオヤジ。
それだけそのチームを期待して応援しているってことですよね。
気持ちが入って熱量が高いということは周りにも伝搬しているはずです。

 

 

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じゃ、これから皆んなでe-Sportシーン盛り上げちゃいますか。

 

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました!!

 

<2017/7/9追記>

本日Vainglory大阪オフ会に行ってきました!
いろいろいただきました。
・Detonation Gaming ふみやっちょ選手のサイン※ゲーム内での名前=ViviRoyal(あえて梅崎本)
・期待の新星U者君のサイン
・リストバンド「vainglory off in Osaka」

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<2017/7/6追記>

7/3~6の日程で行われていた LoLの地域大会「Rift Rivals」で日本代表チームが東南アジア代表チーム、オセアニア代表チームをおさえ優勝しました!おめでとうございます!

 

LoLの地域大会「Rift Rivals」公式ページ

jp.lolesports.com