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【書評】8年分の時間を何に使いますか?『できる人は超短眠!』堀 大輔 (フォレスト出版)

 

睡眠に関する本は世間にごまんとあります。

本書は、そういった本とは一線を画します。
世間一般に知られている睡眠に関する常識をひっくり返して睡眠業界に革命を起こす画期的な一冊です。当たり前と考えていたことを真実をもってひとつずつ反論していく様は、常識に縛られていた身としては圧巻の一言。
常識からかけ離れたものとして「ショートスリーパー(短眠者)」があります。睡眠時間がごく短くても活発に活動できる人がいる、ということを皆さんも聞いたことがあるでしょう。明石家さんまさん、武井壮さん、GACKTさんが有名ですね。なぜ短眠であっても健康な体を維持し衰えを知らず、圧倒的なパフォーマンスを発揮できるのか。
答えは本書にあります。
睡眠時間が短いということはつまり"活動時間が長く"なるのです。今まで通りに生活していては到底手に入れることができなかった時間を活用して、よりよい人生を送る手引きとなるでしょう。

 

睡眠時間を削らずに活動時間を長くする

著者の堀 大輔氏は6年間1日45分以下しか睡眠をとっていない「ショートスリーパー」です。さらに独自のメソッドで600名ものショートスリーパーを育てたとのこと。しかも成功率は99%!(残り1%はナルコレプシーという睡眠障害をお持ちの方だったそう)体調の悪化を訴える方もいらっしゃらないそうです。

「睡眠によって疲労が回復する」「7時間眠らないと寝不足である」といった常識を真っ向から否定します。

時間術といった小手先のテクニックに頼らず、睡眠時間を短くすれば時間が捻出できるのだ、という当たり前のことに気付かせてくれるのが本書の魅力のひとつです。
段階を踏んで短眠を身につけるノウハウが書かれているのですが、一つ一つが本当にお手軽で簡単なんです。怪しいサプリなどを買わされるわけではないので安心してください(笑)

あなたの身体にすでに備わっている機能を呼び起こすだけでショートスリーパーになれるのです。

 

睡眠に関する思い込み

皆さんが思わず唸ってしまう事例を紹介しましょう。それは睡眠に関する思い込みについて。

「昨日XX時間しか寝てないから眠いわ~」なんて声はよく聞きますよね。著者はこれも真っ向から否定します。
メアリー=カスケイドンの実験では被験者に陽の光が入らず、時計もない部屋で3時間睡眠をとらせました、ひとつのグループには「あなたは3時間しか寝ていない」と伝え、もうひとつのグループには「あなたは8時間眠っていた」と伝えます。
もうお分かりでしょうが「3時間寝ていた」と伝えたグループの全員が睡眠不足を訴えたのです。
不思議です。

 

疲れているからよく眠る、疲れていなければあまり眠らない。果たしてそうでしょうか?堀氏はこの常識さえも喝破してしまいます。

これがまた分かりやすい事例なんです。

皆の憧れの職業「ニート」を引き合いにだしてくるのです。
ニートは普段家に引きこもっているので、身体的な疲れはたまりにくいはずですよね。それならばと睡眠時間を尋ねたところ睡眠時間はみんな平均して9〜11時間だったそう。(サンプルは著者のまわりのニート経験者だそう)
おかしいですよね。


このニートの睡眠問題の説明にもってこいなのが動物園で飼育されている動物たち。野生で生活するキリンの睡眠時間は20分、シマウマは1時間です。
動物園で生活するそれら動物の睡眠時間は4時間にものぼるとのこと。
緊張感でいえば弱肉強食の世界で生きる野生のほうが高く、動物園のそれとは比べものにならないでしょう。
つまり疲労と睡眠時間には因果関係がないと言い切れるのです。

 

人間ってつくづく「習慣の生き物」ですよね。そして「思い込みの生き物」。

自分でも思い当たる節があって、仕事で多忙な時ほど体調がよかったんです。その当時は不思議だなと思っていましたが、本書を読んで腑に落ちました。

 

著者 堀大輔さんについて

著者である堀 大輔さんは兵庫県尼崎市生まれでGAHAKU株式会社の代表取締役、社団法人日本ショートスリーパー育成協会理事長をされています。

僕の生まれは大阪府豊中市で、尼崎市とは隣りなので親近感が湧きましたね。
音楽活動や絵画、ギター演奏にくわえギター自体の製作や速読と非常に幅広い特技をもたれています。
幅が広い分、睡眠時間が8時間では時間が足りなくなり、短眠の実践をされ今に至るそうです。

 

子育て世代にこそ読んでほしい

疲れがとれると思っていた長時間睡眠のあとに体がだるかったり、眠る時間が短くても眠気を感じずにいつも通り活動できた経験が皆さんにもあると思います。

僕は二児の父親でもありますが、本書は子育て世代にこそ是非読んでほしい!子どもが生まれると自分の時間というのはなかなか取れなくなります。特に子どもが小さいうちは。
短眠を身につけることができれば"人生"という限られた時間の中で、自由な時間をさらに得ることができるようになります。
その時間を自己の成長にあてますか?大切な人のために使いますか?

 

まとめ

結婚して子どもが生まれてから、いかに自分の時間を確保するかを考えてきました。方法としてはシンプルに早寝早起きをすることで捻出していたのですが、本書を読んで180度考えが変わりました。

これからは短眠だ、と。

睡眠とは一生付き合っていかなければなりません。面倒なものと目を背けずに愛でるべき存在として向き合うことが大事です。


こと睡眠に関しては人それぞれ悩みがあることでしょう。
毎日が忙しくて寝不足だ
睡眠時間が長くても短くても体がスッキリしない、などなど。

 

短眠を身につけるための習慣は7つあります。

習慣① 二度寝やスムーズ機能使用の禁止
習慣② 自分の睡眠を記録する
習慣③ 起床時間を固定する
習慣④ 1日1回はパワーナップ(15分程度の仮眠)をとる
習慣⑤ 眠る前にストレッチをすることを習慣にする
習慣⑥ 週に1〜2回であれば長時間睡眠OK
習慣⑦ 本書を1日1回は広げて、短時間睡眠の知識を上書きする

 

どれも手軽に始められそうですね。

ちなみに短眠によって一生でどれだけの時間が捻出できるのか計算してみました。

(例)年齢30歳 寿命を80歳、睡眠時間を7時間から3時間に短縮
<睡眠時間の累計>
(80-30)*365*7=127,750時間
(80-30)*365*3=54,750時間
<差し引き>
127,750-54,750=73,000時間=3041日=およそ8年!

 

つまり睡眠時間が7時間から3時間に圧縮し寿命までこの習慣を続けると、一生で8年間もの時間を余分に使うことができるのです!
純化したとはいえ、思いもよらないの数字です。

 

あれ?もう眠くなってきました?本書を参考に短眠に挑戦してみてはいかがでしょうか。新しい才能が見つけられるかもしれませんよ。